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主婦たちが越えた一線、衝撃のサスペンス
『OUT〜妻たちの犯罪〜』は、桐野夏生の小説を原作に1999年に放送された社会派ドラマです。
過激な題材ながら主婦たちのリアルな葛藤を描き、話題を集めました。
脚本は前川洋一、演出は星田良子・平野眞が担当し、緊張感ある映像で視聴者を引き込みました。
- 出演者:田中美佐子、飯島直子、渡辺えり子、原沙知絵、高田聖子、哀川翔 ほか
- 原作:桐野夏生『OUT』
- 脚本:前川洋一
- 放送時期:1999年10月クール
- 放送時間:火曜日21時
- 放送局:フジテレビ
- ジャンル:社会派サスペンス
『OUT ~妻たちの犯罪~』の登場人物・キャスト
香取雅子 (田中美佐子) |
職を失い、孤独を抱える主婦。仲間を守るため犯罪に関わる。 |
井口則子 (飯島直子) |
少年課から刑事課に異動した女性刑事。雅子に友情と疑念を抱く。 |
吾妻ヨシエ (渡辺えり子) |
生活に困窮し、冷静さを失いながらも仲間を支えるベテラン主婦。 |
山本弥生 (原沙知絵) |
DV夫を殺害し、事件の発端を作る若い主婦。 |
城之内邦子 (高田聖子) |
借金を抱える派手な主婦。仲間の秘密共有に関与する。 |
十文字彬 (哀川翔) |
闇金業者。事件を知り、主婦たちを追い詰めていく。 |
田中美佐子は、平凡な主婦が犯罪に巻き込まれる複雑な役どころを迫真の演技で表現しました。
家庭での孤立感と仲間への思いを繊細に演じ、共感と恐怖を同時に呼び起こしました。
彼女の存在感がドラマ全体の軸となりました。
飯島直子は、原作にはないドラマオリジナルの刑事・井口則子役を演じました。
男性社会で葛藤する女性刑事像を力強く体現し、雅子との対比によって作品に新たな深みを与えました。
渡辺えり子は、経済的に追い詰められ犯罪に関わるヨシエを人間味あふれる演技で表現。
庶民的で親しみやすい姿と犯罪への葛藤が交錯し、視聴者に強い印象を残しました。
『OUT ~妻たちの犯罪~』のあらすじ
香取雅子(田中美佐子)は、かつては職を持ちながら現在は深夜の弁当工場で働く主婦である。
家庭では夫(段田安則)との関係が冷え切り、息子とも距離があった。
ある日、同僚の山本弥生(原沙知絵)がDV夫を殺害してしまう。
雅子と仲間のヨシエ(渡辺えり子)、邦子(高田聖子)は彼女を助けるため遺体の処理を決断する。
やがて闇金業者・十文字(哀川翔)に弱みを握られ、犯罪に巻き込まれていく主婦たち。
刑事・井口則子(飯島直子)は事件に迫り、友情や母としての葛藤が交錯する中で、物語は予想外の結末へ進んでいくのである。
令和から見た平成ドラマポイント
平成が映し出した主婦の苦悩と社会構造
『OUT〜妻たちの犯罪〜』は、1990年代後半に社会問題として注目され始めた家庭内暴力や経済的不安を真正面から描いた作品です。
女性の社会進出と家庭の板挟みという状況を、犯罪サスペンスという形で表現。
当時は過激さで賛否を呼びましたが、令和の今振り返ると普遍的なテーマが際立ちます。
DVや女性の権利への意識が高まった現代にも通じ、犯罪を選んだ主婦たちの姿が社会構造の歪みを浮き彫りにしています。
『OUT ~妻たちの犯罪~』のスタッフ
脚本の前川洋一は、社会派テーマを重厚に描く筆致で評価を集めており、本作でも主婦の心理を丁寧に描きました。
原作の持つ緊張感を活かしつつ、テレビドラマとして視聴者を引き込む工夫が凝らされています。
演出の星田良子・平野眞は、過激なシーンをリアリティとエンターテインメントの両立で映像化しました。
緊迫感を途切れさせない構成と映像美で、犯罪ドラマとしての魅力を最大限に引き出しました。
『OUT ~妻たちの犯罪~』の原作・ノベライズ
桐野夏生の小説『OUT』は1997年刊行。
女性の孤独や連帯、家庭や社会の圧力を犯罪サスペンスとして描き、高く評価されました。
直木賞候補作としても注目を集め、ドラマ化でさらに脚光を浴びました。
ドラマと原作の大きな違い
ドラマ『OUT〜妻たちの犯罪〜』は原作小説を基にしつつも、いくつか大きな違いがあります。
最も特徴的なのは、飯島直子演じる刑事・井口則子がドラマオリジナルの人物として登場する点です。
原作には存在しない視点を加えることで、主人公雅子との友情や事件解明に新しい流れを生み出しました。
また、死体解体など過激な描写は抑えられ、心理劇や人間関係の描写に重点が置かれています。
さらに、ドラマの結末は原作の閉塞感よりも自立や希望を示し、テレビ視聴者に共感しやすい形へ調整されています。
『OUT ~妻たちの犯罪~』の主題歌
主題歌は、福山雅治の「HEAVEN」。
ドラマの犯罪や絶望と希望、主人公たちの苦悩を象徴するナンバーです。
エンディングテーマは、松田聖子「哀しみのボート」。
ドラマのラストや印象的なシーンを彩り、登場人物たちの苦悩や孤独感を静かに表現しています。
どちらの曲もドラマの雰囲気を強調し、重厚な物語とリンクした選曲となっています。
『OUT ~妻たちの犯罪~』の関連作品
『映画 OUT』(’02・日本)
桐野夏生の同名小説を原作に映画化された作品です。
原田美枝子、倍賞美津子、室井滋、西田尚美らが出演し、深夜の弁当工場で働く主婦たちが殺人事件に巻き込まれ、犯罪へと転落していく姿を重厚に描いています。
テレビ版とは異なり、映画ならではの緊迫感ある映像表現やグロテスクな描写を交え、原作の暗く鋭い世界観を忠実に再現しました。
女性たちの連帯と孤独を対比的に描き出し、原作が持つ社会性とスリラー性を新たな角度から浮き彫りにしています。
『映画 OUT』を見られるサービス
『ナオミとカナコ』(’16・フジ)
奥田英朗の小説を原作にしたサスペンスドラマ。
百貨店勤務の直美(広末涼子)は、親友の加奈子(内田有紀)が夫からDVを受けていることを知り、共に夫殺害を計画する。
女性同士の友情と連帯を描きながら、暴力からの解放を求めて犯罪に踏み出す姿は、『OUT』と同じテーマ性を持ち、女性が追い詰められて越える“一線”を鮮烈に描き出しました。
『ナオミとカナコ』が見られるサービス
『OUT ~妻たちの犯罪~』と同クールドラマ
『氷の世界』(フジ・月21)
竹野内豊と松嶋菜々子が主演を務めた月9ドラマです。
冷徹な保険調査員と、不可解な死に関わる謎めいた女教師が織りなすサスペンスで、放送当時大きな注目を集めました。
予測不能なストーリー展開と映像美、登場人物の心理戦が視聴者を魅了し、平均視聴率も20%超のヒット作となりました。
『氷の世界』を見られるサービス
『危険な関係』(フジ・木22)
豊川悦司と藤原紀香が主演した木曜劇場ドラマです。
タクシー運転手の魚住新児(豊川)は、高校時代の同級生を轢き殺したことから、彼になりすまして生きる決断。
秘書や企業の人間関係に巻き込まれながら、次第に大きな事件へと引き込まれていく社会派サスペンス作品です。
残念ながら配信中のサービスはなく、DVD化もされていません。
配信の機会を待ちたいですね。
『OUT ~妻たちの犯罪~』の視聴率・評価
初回視聴率16.1%、平均視聴率12.8%を記録しました。
過激な題材に賛否がありましたが、リアルな主婦像の描写は高く評価されました。
ザテレビジョンドラマアカデミー賞では、主演女優賞で田中美佐子が2位、助演女優賞で渡辺えり子が2位を獲得。
挑戦的な内容が同クールドラマの中でも特異な存在感を放ちました。
『OUT ~妻たちの犯罪~』を見られるのが現状VHSのみ
本作を配信中のサービスはなく、DVD化もされていないため、現在視聴可能なのは中古のVHSのみになります。
在庫状況はその時によりますが、何としてももう一度見たい方はチェックしてみてくださいね。
まとめ
『OUT〜妻たちの犯罪〜』は、平成末期の社会問題を真正面から描いた挑戦的ドラマです。
現在は配信も宅配レンタルも利用できないため、視聴機会は限定的です。
主婦たちの葛藤と連帯を描いた衝撃作を本記事で振り返りつつ、配信される日を待ちたいですね。